移民・難民・外国人問題

一部、過去記事のリンクが切れています。現在、修正中です。



蓮舫さんの「戸籍法106条の手続」発言と、金田法務大臣の「不受理」発言について(蓮舫さんの二重国籍問題)

時事通信の報道に基づいて、記事を書いていたら、産経新聞から、新たな報道が出てしまった(笑)

http://www.sankei.com/politics/news/161015/plt1610150010-n1.html

 民進党蓮舫代表は15日、日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」問題について、都内の区役所に提出した台湾籍の離脱証明書が受理されなかったことを明らかにし、戸籍法に基づき「(日本国籍の)選択宣言をした」と述べた。都内で記者団の取材に答えた。 

 

 蓮舫氏は記者団に「不受理なのでどうすればいいかと相談したら、強く(日本国籍の)選択の宣言をするよう行政指導されたので選択宣言をした」と述べた。 

 

 蓮舫氏は9月23日に台湾当局から台湾籍の離脱証明書を受け取り、区役所に提出。一方で、国籍法で義務づけられた日本国籍の選択宣言をした時期への言及は避けていた。 

 

 国籍法14条は日本国籍の選択について、外国籍の離脱によるほか、戸籍法に従い、日本国籍を選択し、外国籍放棄の宣言をすることによると定めている。 

 

 日本政府は台湾を正式な政府として認めておらず、金田勝年法相は14日の記者会見で、一般論として「台湾当局が発行した外国国籍喪失届(国籍喪失許可証)は受理していない」と説明していた。 

 

管理人は、戸籍法よりも国籍法の方が詳しいので、国籍法の視点から書く。

 

今回の問題は、法文上の「外国」の解釈の問題だ。

 

一見、関係ないようにも思えるが、まず、国籍法13条の説明をする。

 

これは、日本国籍の「離脱」の規定である(重国籍者のみに認められるもの)。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO147.html

十三条    外国の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を離脱することができる。

2   前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を失う。

※ 赤字・太字は管理人による

 

この条文上の「外国」とは、誤解を恐れずザックリ言うと、国際法上、国家として承認されていて、かつ、日本国が、独立国として承認している国家のこと、とされている。

 

したがって、台湾(中華民国)や北朝鮮などの「日本が承認していない国籍」と、「日本国籍」との、事実上の重国籍者は(蓮舫さんは、このパターン)、日本国籍の「離脱」は、できないことになる。

 

理由は、日本から見ると「無国籍」になってしまうから(日本国憲法は、無国籍になる自由まで認めていない。ただし、この取扱いは、学者の間では批判もある)。

 

したがって、このような事実上の重国籍者から、(日本の)国籍離脱の申請がされても、不受理となる(簡単に言うと、「できませんよ」と言われる)。


ツイッター上に、次の発言がある。
https://twitter.com/furusatochan/status/787138211604787205?lang=ja

 台湾人になりたくて日本の役所に国籍離脱を申し出ても受け付けてくれないというのを先日見たばかりで、法務大臣の説明はこれに符合する。蓮舫にこの複雑な建前と実務の関係を理解させるのは無理。 

 

この発言は、管理人の経験上知りえていることとも、一致しており、間違いなく正しい(※なお、台湾政府は、不受理になると分かっている。その不受理の通知書を、台湾政府に提出する形になる)。

 

今回の記事

日本政府は台湾を正式な政府として認めておらず、金田勝年法相は14日の記者会見で、一般論として「台湾当局が発行した外国国籍喪失届(国籍喪失許可証)は受理していない」と説明していた。 

について

 

これは、今の説明(日本の国籍離脱の場合)の、裏返し(同じ理屈)といえるだろう。


繰り返すと、蓮舫さんの台湾(中華民国)の国籍喪失許可証を添付した「外国国籍喪失届」が、区役所で不受理となったのは、日本国籍の離脱の場合裏返し(同じ理屈)といえるだろう

 

さらに、ザックリ言うと、今回の事務手続について、台湾(中華民国)を、「完全無欠の独立国家」として取り扱うことが、外交的・政治的に難しい、ということだろう。 

 

推測が入っているが、まず間違いないものと思われる。

 

  

※ 注意


なお、誤解がないように言っておくが、台湾(中華民国)籍は、離脱できる(管理人は、台湾のど派手(笑)な国籍喪失許可証を、何度も見たことがある)。

 

「台湾(中華民国)籍の離脱という事実」と、「日本政府が、その離脱の事実をどう扱うか」というのは、別の話。

 

それから、台湾(中華民国)籍の者が、日本に帰化する際には、事前に台湾(中華民国)籍を「離脱」する必要ある

 

これは、離脱できるものは離脱してもらって、事実上のものであっても何でも、重国籍を防止する観点から。

 

なお、金美齢さんは「帰化」。蓮舫さんは「(届出による)国籍取得」。別手続。

 

imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp

 

 

蓮舫さんの国籍についての、管理人の過去記事

 

imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp