ロシアの真意とは?北方領土交渉は、先送りの可能性
よくまとまっている記事だと思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161125-00000005-ykf-soci
北方領土ミサイル配備、平和条約交渉を有利に…プーチン氏の陰謀暴く 破約の常習犯「食い逃げ」警戒
夕刊フジ 11/25(金) 16:56配信
ロシアが、プーチン大統領の訪日を前に、卑劣な挑発を仕掛けてきた。北方領土の択捉島と国後島に新型ミサイルを配備したと軍機関紙が報じたうえ、沖縄県・尖閣諸島の領空周辺にロシア海軍のヘリコプターを飛行させたのだ。日本外務省の弱腰姿勢が目立つなか、ロシア側には領土問題を含む、安倍晋三首相との平和条約締結交渉を有利に進めたい策略を感じる。そもそも、ロシアは条約や国際法破りの常習国とされる。経済協力や技術協力の「食い逃げ」など言語道断だ。
岸田文雄外相は23日、ロシア軍が北方領土に新型ミサイルを配備したとの報道についてロシアへの抗議については言及を避けたが、まったく甘過ぎる。向こうは「日本は抗議もできないほど震え上がった」とほくそ笑んでいるのではないか。
それにしても、ロシアのやり方は狡猾だ。
インタファクス通信は22日、ロシア軍機関紙の報道として、択捉島に地対艦ミサイル「バスチオン」、国後島に同ミサイル「バル」を配備したと伝えた。いずれも沿岸防衛に利用され、海上から接近する艦船などへの攻撃に使われるという。
防衛省統合幕僚監部も22日、ロシア海軍のKa27対潜哨戒ヘリコプター1機が同日午後、尖閣諸島の領空付近を飛行したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表した。
これらの軍事的行動が、プーチン氏の「最近の言動」とリンクしていることは間違いない。
プーチン氏は20日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開かれたペルーでの記者会見で、北方領土について「国際文書でロシアの主権があると承認された領土だ」と明言した。さらに、安倍首相との会談で、北方領土での「共同経済活動」について話したことも暴露した。
これまで、安倍首相とプーチン氏は、戦後70年以上たちながら日露間で平和条約が結ばれていない状態を「異常」だとして、領土問題を含む平和条約締結と経済協力の交渉を続けてきた。だが、ペルーでの発言は、積み重ねてきた交渉を後退させる内容といえそうだ。
ロシアは、武力を背景としてウクライナ南部クリミア半島を強引に編入したことで欧米諸国から経済制裁を科されている。日本の経済協力は何としても欲しかったが、プーチン氏に好意を示していたドナルド・トランプ氏が次期米国大統領になったため、状況が少し変わったようだ。
国際政治学者の藤井厳喜氏は「トランプ氏はロシアとともに、過激派組織『イスラム国』(IS)をたたきたい。プーチン氏としては、米国の経済制裁が緩む可能性が出てきたので、日本と慌てて領土交渉をする必要がなくなった。軍を使って『領土交渉は困難』とのメッセージを送り、日本人の期待値を下げようとしたのだろう。日本の外務省はロシア軍の行為に抗議すべきだ。黙っていたらナメられて、外交交渉が相手のペースで進みかねない」と語る。
そもそも、ロシアは自国の利益のためなら、条約や国際法を破ることに、あまり抵抗がない。歴史が証明している。
北方領土が不法占拠されたのも、旧ソ連が1945年8月9日、当時有効だった「日ソ中立条約を破棄」し、一方的に対日宣戦布告したからだ。
ソ連軍は、満州や朝鮮半島、南樺太(サハリン)などに次々と侵攻した。日本がポツダム宣言を受諾し、15日に終戦の詔書が発表された後も侵略は続いた。ソ連軍が北方四島を占拠し終えたのは、日本が降伏文書に調印した9月2日よりも遅い、同5日だった。
「シベリア抑留」の暴挙も忘れてはならない。
ソ連は終戦後、ポツダム宣言の規定に反して、武装解除して投降した占領地区の日本軍人ら約60万人をシベリアなどに連行した。長期にわたる抑留生活と奴隷的強制労働によって、5万人から6万人の日本人が異国で死亡している。
プーチン氏は旧ソ連の情報機関「KGB」出身だ。いくら「柔道好き」でも信用ならない。国際社会の常識は「ギブ・アンド・テーク」。日本が一方的に、経済協力や企業誘致、ハイテク技術を譲り渡す必要はない。こういう見方もある。
ロシア政治に詳しい東京財団研究員の畔蒜(あびる)泰助氏は「12月の日露首脳会談で領土問題の解決は難しい」といい、続けた。
「そもそも、日本とロシアでは見ている時間軸が違う。ロシアは中長期的に日本との関係を深めたいと考えており、領土問題はプロセスの1つに過ぎない。ロシアとはウィンウィンの関係を積み上げ、『戦略的パートナー』と呼べるレベルに引き上げることが大事だ。プーチン氏が首脳会談の内容を明らかにしたのは、領土問題で国内の反発を抱える安倍首相への配慮かもしれない」
ともかく、ロシアにダマされてはならない。
※ 赤字・太字は、管理人による。
要するに、戦争には絶対に負けてはいけないということ。
敗戦は、子々孫々まで続く苦難だ。
太平洋戦争(本当は、大東亜戦争)での敗北は、今後、1000年の教訓としなければならない。