移民・難民・外国人問題

一部、過去記事のリンクが切れています。現在、修正中です。



アゴラに法律のプロはいないのか。ど素人すぎる。

また、アゴラが、やらかしている。

 

今日のメイン記事は、後半部分。

 

とりあえず、前半は、池田さんについて。

 

池田さんのツイッターには、次の記載がある。

https://twitter.com/ikedanob/status/785312267969495040

 

 「リベラル」のみなさんも差別だとか排外主義だと騒ぐより、こういうきちんとした批判をしてほしい。私も前からいっているように、日本の国籍法も戸籍制度も時代遅れ。制度を変えて行政の裁量を減らすべきだ。 

※ 太字は管理人

 

出た。レッテル貼りだ。

 

何をもって「時代遅れ」なのか?

 

西洋諸国と少しでも違うと、時代遅れか?

 

「西洋」諸国の文化・価値観と違う「東洋」の文化は、時代遅れか?

 

戸籍が「家制度」の名残で、時代遅れだという主張に対する反論は、こちら。

 

imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp

 

外国人に関する事務(入管行政・帰化を含む国籍行政など)は、どこの国でも、その国の裁量の余地が大きいのが普通だ。

 

自国民に対する事務とは、異なる部分があるのは、当然だ。

 

外国や外国人を、どのように扱うかというのは、国家の主権に関わることだからだ。

 

そもそも、池田さんは、「法律」に関することや、帰化などの国籍事務については、ど素人に近い発言を連発している。

 

imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp

 

 

imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp

 

 池田さんは、レッテル貼りの議論しかできないのだろう。

 

まあいい。

 

問題は、池田さんが紹介している記事だ(ここから後半で、今日のメイン記事)。

 

正直、この記事を書いた人も、法律のど素人だ。

 

本当に、アゴラに記事を書く人は、(国籍に関する)法律を分かっていない人が、多い感じである。

 

そして、記事をキチンとチェックできる人が、少ない感じだ。

 

これで、偉そうに語るのだから、困ったものだ。

 

本当に、ネットの情報を鵜呑みにするのは、危ない。

 

管理人は、次の部分を読んで、卒倒しそうになった。

 

遵法精神の強い日本国民は、いったん法律で決められるとそのまま受け入れて「何故?」と言う疑問を持たない特徴がある。

 

例えば、国籍法罰則規定の 第二十条 2 には「前項の罪は、刑法 (明治四十年《1908年》法律第四十五号)第二条 の例に従う。」と規定されているが、「立憲民主主義」や「法の支配」とは無縁の、明治憲法下の価値観で処罰されていることに異議を唱える人は少ない。

※ 太字は管理人


何も分かっていない。

 

国籍の話をする前に、ここを指摘しないといけないのが、バカらしい。

 

ここの「刑法」は、「明治」と書いているからといって、「明治」時代に作られた当時の「刑法」なのではない

 

今の「刑法」のことである。

 

本当に、ど素人である。

 

あきれて、本当に何も言えない。

 

簡単に言うと、「刑法」や「民法」等の法律名の後ろについている「(明治〇年法律第〇〇号)」や「(昭和〇年法律第〇〇号)」は、その法律が、最初に制定されたときの元号・年・番号だ。

 

これは、「法律番号」という。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E4%BB%A4%E7%95%AA%E5%8F%B7

 

法律制定後、一部改正があっても、基本的に「法律番号」は変わらない

 

法律の最後の方に、「附則〇〇」という部分があると思うが、ここを見れば、改正した回数等がわかる。

 

一部の改正ではなく、全部改正となれば、「(昭和〇年法律第〇〇号)」の部分も変わる

 

例えば、明治時代に初めて作られた不動産登記法は、平成16年に全部改正したため、「(昭和〇年法律第〇〇号)」の部分が、現在は「平成16年法律第123号」となっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E7%99%BB%E8%A8%98%E6%B3%95

 

だいたい、戦前からあった法律は、現行憲法が制定された後、現行憲法の価値観に合うように、全て改正されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%91%E6%B3%95_(%E6%97%A5%E6%9C%AC)

 

それに、

「立憲民主主義」や「法の支配」とは無縁の、明治憲法下の価値観

と書いているが、これは言い過ぎである。

 

ある程度は、これらもあった。

 

アジア初の近代憲法明治憲法)を、バカにしすぎだ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95#.E7.AB.8B.E6.86.B2.E4.B8.BB.E7.BE.A9.E3.81.AE.E8.A6.81.E7.B4.A0

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%94%AF%E9%85%8D

 

そして、この記事の論者は、「役人は外圧に対抗できない」等が、持論のようだ。

 

その国籍法も何回か改正されて来たが、改正経過を辿ってみると、普遍的論議にめっぽう弱い日本のお役人は海外諸国との論戦には対抗できず、国籍法の根幹をなす「父系血統主義」の廃止や二重国籍の定義変更も外圧によるものであった。

 

この国籍法の現状は「孤立した環境で『最適化』が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外国から適応性と生存能力の高い種が導入されると最終的に淘汰される危険に陥る状態」(ウイキペデイア》を示す日本生まれの「ガラパゴス」と言う言葉がドンピシャである。

 

この記事を書いた人は、日本の「役人」が、条約に関する全ての議論を任されていると思っているのか。

 

条約は、内閣国会が、キチンと関わる。

 

その条約に従って、国内法が改正されるのは、当たり前のことだ。

 

それに、世界的な情勢を勘案しながら、国籍法を改正しているので、「ガラパゴス」ではないと思うが?

 

そもそも、このアゴラの記事のタイトルは、「ガラパゴス化の進む日本の国籍法」だが、論点が何なのか、よく分からない。

 

これまでの国籍法の改正の経緯が、外圧によるものなので、よくないと言いながら、日本の国籍法は、ガラパゴス(要するに、取り残されている)という言い方である。

 

とりあえず、今の国籍法が気に入らないと言いたいのか。

 

もう少し、流れを考えて、文章を書いてほしい。

 

 

そもそも、無国籍・重国籍防止のための国際法重要な原則の1つである「国籍唯一の原則」(すべての人が必ず国籍を持ち、かつ唯一の国籍を持つべきであるという考え方)に基づいて日本の国籍法作られている

 

一方、EUは、人の往来を自由にする必要等があったため、この原則変更を余儀なくされている。

 

これが、1997年の「ヨーロッパ国籍条約」の採択だろう。

 

しかし、「EUのような事情」のない日本が、これに追従する必要ない。

 

管理人としては、今の国籍法の問題点は、「国籍選択の義務」を守らせる強制力が弱い点が、まず挙げられると思う。

 

そして、もう1つは、帰化の条件が緩い「気がすること」である。

 

これは、他国と比べて、という訳ではなく、あくまで管理人の個人的な意見である(笑)

 

この点については、また今度。