どうも「国籍」に関する記事は、いい加減なものが多い。記事を鵜呑みにしてはいけない。
久しぶりの国籍の記事。
そもそも、このブログは、国籍に関する記事がウソばっかりなのに怒りを覚えて始めたところが大きい。
今回の記事も、イマイチである。
ちなみに、この記事の筆者は、二重国籍「容認」論者である。
全ての引用記事等の赤字・太字は、管理人による。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180709-67205192-business-pol
W杯が浮き彫りにする日本の国籍放棄問題
7/9(月) 18:40配信 日経ビジネスオンライン
もともと移民たちの活躍が目立つワールドカップ(W杯)だが、今回はさらに進み、複数の国籍を保有する重国籍者の存在が注目を集めている。ロシア代表のデニス・チェリシェフはロシアとスペインの二重国籍者で、ロシア代表を選んだ。日本は二重国籍を認めておらず、海外在住の高度人材が日本国籍を放棄するケースがある。また日本で暮らす移民が急増するなかで、二重国籍の是非も問われ始めている。
ロシアで開催されているサッカーワールドカップ(以下、W杯)を見ていると、各国代表メンバーにおける重国籍者の活躍が目立つ。
W杯開幕戦のロシア対サウジアラビア戦で2ゴールを奪い、次の対エジプト戦でもゴールを決めたロシア代表のデニス・チェリシェフもそのひとり。彼はロシアとスペインの二重国籍者だ。現在27歳になる彼は、5歳の時にロシア人の両親と一緒にスペインに移住し、レアルマドリードの下部組織で技を磨いた。彼はインタビュー で「自分のアイデンティティーは普段生活しているスペイン人としてのものだが、両親の母国であるロシア代表としてプレーしたかった」と答えている。
6月22日に、対セルビア戦でスイス代表として決勝点を決めた際のゴールパフォーマンスで、アルバニア国旗にある双頭のワシを象った仕草で物議を醸したジェルダン・シャキリも、コソボとアルバニアとスイスの重国籍者である(民族的にはアルバニア人)。現在のコソボ共和国は、セルビア共和国内のコソボ自治州であった頃から、アルバニア系住民とセルビア系住民の対立が存在していた。独立を目指したセルビアとの武力闘争が1999年に収束するまでに、コソボ自治州からは、隣国マケドニアへだけでなく他の欧州諸国へも大量の戦争難民が避難したといわれている。
また代表選手ではないが、サッカー関連では、ロシアの元情報機関員への襲撃事件を契機に英国政府が対決姿勢を鮮明にしているロシアのオリガルヒ(新興財閥)の一人で、英国サッカーの名門クラブ、チェルシーのオーナーであるアブラモヴィッチ氏の例もある。
同氏は、英国での投資家ビザの更新手続きを引き延ばされ、5月のマンチェスターユナイテッドとのFAカップ決勝戦を観戦することができなかった(結果はチェルシーの優勝)。これを受け、ユダヤ系である同氏はロシア国籍に加えイスラエル国籍を取得して、英国に観光ビザで入国し、投資家ビザ更新そのものは辞退した。同氏はさらに、チェルシーのスタジアム改装用の10億ポンドの新規投資をストップさせている。
●日本では成人の二重国籍は認められず
日本では、生地主義を取る国(米国など)で生まれた子などの場合は、22歳に達するまで二重国籍が認められている。
海外で生まれ育った日本人のプロスポーツ選手の中にも多くの重国籍者がいるが、22歳で国籍選択を迫られることになる。小さい時から育成チームなどで、海外で活躍してきた選手が、最も脂がのる年代で日本国籍保持のためにこれまでの活躍の場であった国のパスポートを放棄するという可能性は低い。
また英国の名門大学やパブリックスクールにも相当数の日本人が在籍する。彼らの多くは英国や他の欧米諸国で生まれ育った重国籍者であり、22歳になると多くが日本国籍を放棄するという。
専門用語になるが、この記事で、「国籍の放棄」と言っているのは、正式には「国籍の離脱」である。
この記事は、専門家が読むものではないので、ここがゴチャゴチャである。
この記事を正式な用語を使って記載するなら、「W杯が浮き彫りにする重国籍保持者の日本国籍離脱問題」となるだろう。
多いかどうかは、判断の余地が分かれるが、平成25年からの国籍離脱者数の推移データ(法務省ホームページから)である。
http://www.moj.go.jp/MINJI/toukei_t_minj03.html
平成25年 380人
平成26年 603人
平成27年 518人
平成28年 613人
平成29年 770人
ちなみに、日本への帰化者数は、ほとんど毎年1万人を超えている。
http://www.moj.go.jp/content/001180510.pdf
それから、記事中に、「日本では、生地主義を取る国(米国など)で生まれた子などの場合は、22歳に達するまで二重国籍が認められている」とある。
別に間違いではないのだが、日本政府は、積極的に「認めている」のではなく、あくまで「猶予期間」を与えている、と考えた方がよいだろう。
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)
(国籍の選択)
第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。
続き。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180709-67205192-business-pol&p=2
ただし、法務省は事実上、成人の重国籍を容認するケースもあるようだ。ペルーのフジモリ元大統領のケースでは、日本国籍とペルー国籍の二重国籍であることが公になった後でも、日本国籍放棄を強く求めることはなく、強制的に剥奪することもなかった。同氏が、汚職問題で日本に事実上亡命した際には、日本国籍保有者であるとしてペルー政府の引き渡し要求を拒否までしている。
現在、成人の二重国籍保有を認めていない国はG7の中では日本のみである(G20まで拡大しても、日本は少数派に属する)。同様に二重国籍を認めていなかったお隣の韓国でも2010年に国籍法が一部改正され、対象範囲を限定した上で韓国籍取得者の外国籍放棄義務が緩和された。
外国人でも、韓国に対し特別の功労があったり国益に寄与すると認められたりした場合には二重国籍が認められている。このような中、日本でも二重国籍を認めるべきではないかという声が聞かれるようになってきた。
二重国籍の議論を無視できなくなりつつある背景には、日本への移民流入数が相当数にのぼっていることも挙げられる。経済協力開発機構(OECD)の外国人移住者データを見ると、2016年の移民流入数のトップはドイツの172.0万人、2位の米国118.3万人、3位の英国45.4万人に次ぎ、日本は4位で42.7万人に及んでいる(日本への移住者の定義は、有効なビザを保有しかつ90日以上滞在する外国人)。
長く移民受け入れ策を議論してこなかった日本だが、実際のところは急速に進む高齢化による労働力不足を背景に、途上国からの留学生を含めた外国人労働者が欠かせない存在となっている。2016年のEU離脱の是非を問う国民投票以降、英国では既にEUからの移民流入数の減少が始まっているため日本が英国を抜き3位になるのは時間の問題といわれている。
これら外国人労働力を一時的に国内に留めるだけでなく、優秀な人材確保のためにも、二重国籍の容認について真剣に検討する時期が近く来ることも予想できる。ここで、永住権で十分なのではという議論もあるかもしれないが、簡単に失効してしまう永住権と国籍ではその取得の意味に雲泥の差があるといわれている。
また筆者と同様に90年代後半に大学を卒業した就職氷河期世代の人材の中には、優秀であったものの日本で就職が叶わず海外に活躍の場を求めたケースも多い。彼らやその子息を日本の労働力として活用し日本社会への貢献を促すためにも、二重国籍許容については真剣に考える必要があるだろう。
彼らが移住した国で永住権を取得した場合でも、1~3年その国を離れる、あるいはその国での生活実態がないと判断されると、永住権を剥奪されるケースが多く、日本に数年里帰りして就労するというような選択肢は難しいのが実情だ。
●こっそり二重国籍は黙認も
無論、政治家や公務員などの要職者については、特別措置を取るなど慎重な配慮が求められるだろう(参政権に関しても同様)。日本でも一部政治家の二重国籍が問題となったが、重国籍議員が認められている英国ですらEU離脱についての国民投票の際には、EU国籍を保有する議員の動向が注目された上、他国籍配偶者を持つ議員への批判が高まったこともあった。
また、政治家や公務員だけでなく、前述のジェルダン・シャキリのケースなど、その国の代表とは関係ない政治的な言動に対しても罰則規定を設けるべきであろう。
実際に成人した後もこっそり外国籍を保持しつつ、日本のパスポートも保持している者も相当数にのぼるといわれている。本来であれば外国籍取得後2年以内に放棄する必要がある日本国籍であるが、特に罰則規定もなく事実上黙認されている面もあるようだ。
こういう曖昧さを今後も放置しているのであれば、政府はそろそろ真剣な議論を行う時期に来ているのではないだろうか。
菅野 泰夫
記事は、かなりいい加減だ。
ペルーのフジモリ元大統領の例は、特殊事例であり、参考にはならない。
韓国の事例は、オリンピック等で、金メダルを取りたいがためのインチキ政策である。いつもの「パクリ」の延長線上と考えればよい。
過去記事。
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
この記者のインチキ解説により、この事実は、「同様に二重国籍を認めていなかったお隣の韓国でも2010年に国籍法が一部改正され、対象範囲を限定した上で韓国籍取得者の外国籍放棄義務が緩和された。」という風に、ボカされた。
本当に、ものは書きようである。
それから、記事中に、「現在、成人の二重国籍保有を認めていない国はG7の中では日本のみである(G20まで拡大しても、日本は少数派に属する)」とある。
いつもの「欧米至上主義」である(笑)。
欧米より日本の方が優れていることはたくさんある。
タイムリーなところでいえば、サッカーのワールドカップでも明らかになった日本人の民度の高さや組織力(規律正しさ)などである。
日本には日本の独自性がある。なんでもかんでも欧米のマネをする必要はないのである。
フランスでは、国内に約500万人のイスラム教徒が存在し(人口約6000万人)、大がかりなテロも発生している。
外国人を大量に受け入れると、こうなるという過去記事。
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
記事中に、「実際に成人した後もこっそり外国籍を保持しつつ、日本のパスポートも保持している者も相当数にのぼるといわれている。本来であれば外国籍取得後2年以内に放棄する必要がある日本国籍であるが、特に罰則規定もなく事実上黙認されている面もあるようだ。」とある。
パスポートを複数持つ者は、確かにいる。
ただし、日本国籍を持つ者は、猶予期間を除き、他の国籍を持つことは認められていない。
したがって、日本国籍を持つものが、他の国のパスポートを持つことが、どういうことかは明白であろう。
そして、記事中に、「特に罰則規定はない」とあるが、ペナルティに関する規定はあるから、これまたウソである。
ただ、その規定は、これまで適用されたことはないようであるから、黙認と言えば、黙認である。
管理人のいう「ペナルティ」とは、日本国籍を失う可能性があるというものである(国籍法第15条。下記参照)。
管理人としては、この規定をしっかりと適用していけばいいだけの話である、と思う。
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)
第十五条 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。
2 前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。
3 前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から二週間以内にこれをしたときは、この限りでない。
この点についての過去記事。
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
☆☆☆
ちなみに、この記事の筆者の経歴。
https://www.dir.co.jp/professionals/researcher/sugenoy.html
おそらく、知的レベルの高い「優秀な」外国人としか、接していないと思われる。
大半の外国人の「素行の悪さ」を知らないと思われる。
一度、入国管理局に行ってみるといい。
☆☆☆
管理人が、二重国籍について思うこと。
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
その他の過去記事。
imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp
古いが、オススメの本
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002458313-00
〈アマゾンへのリンク〉

不良外国人男女にだまされない本―日本人と在日のための国際困り事相談実例集
- 作者: 小管清
- 出版社/メーカー: データハウス
- 発売日: 1998/04/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
内容(「MARC」データベースより)
在留外国人男女とのトラブルが急増中。国際化の歪みが、いま日本社会を席巻している。日本人と在日の人々のために、結婚に絡んだ様々な問題に回答する。